著作者の権利とは?その1

著作権は、著作物の無断利用から著作者を守るための権利です。

著作権は、著作物を創作した時点で権利が発生しますので、創作時点から保護されることになります。
では、具体的には、どのような権利が保護されているのでしょうか?

著作者に与えられる権利には、「著作者人格権」「著作財産権」の2種類の権利があります。
では、それぞれどのような性質があるのでしょうか。

著作権人格権とは?

著作者が著作物に対して有する人格的利益を保護する権利です。
著作物は著作者の思想または感情の表現で、無断で公表されたり、無断で改変されたりすれば著作者の人格的利益が害されるためです。このように著作者人格権は、個人の人格と結びついていますから、譲渡することはできません。

つまり、一身専属的権利ということで、著作権が譲渡されても、著作者人格権は著作者に帰属することになります。
相続の対象にもなりませんので、著作者が死亡すれば消滅します。
もっとも、著作者の死後も著作者が生存していたとすれば著作者人格権の侵害となったであろう行為は禁止されています。
そのような行為があったときは、著作者の遺族がこれに対して差止請求などをすることができます。

著作財産権とは?

著作者が著作物に対して有する財産的利益を保護する権利です。
著作権法上は、単に「著作権」と呼び、「著作権」には複数の権利が含まれていますが、それらを指して「支分権」といいます。
著作権とは、複数の支分権を総称する用語で、「権利の束」と言われ、著作者は、支分権の対象行為をする権限を独占することになり、他人は、原則として、著作者から許諾を得なければ支分権の対象行為をすることはできません。

つまり、ひとくちに「著作権侵害」といっても、著作権のうちのどの支分権が侵害されているのかが問題になります。
無断利用された場合、著作者は、侵害者に対して、差止請求、損害賠償請求をすることが可能です。
財産権ですから、他人に譲渡でき、相続の対象にもなります。

したがって、譲渡や相続があったときは、著作者は著作権者ではなくなります。
著作権には、保護期間が定められていて、その保護期間が満了すると、著作権は消滅します。

原則として、著作者の死亡した翌年から計算して50年が満了すると消滅しますが、財産権なので、遺族は著作権を承継することが可能です、著作者の死亡後に著作権が侵害された場合には、遺族が差止請求や損害賠償請求ができます。